当院の飼い猫「もみじ」が急に右前足を痛がるようになりました。レントゲン・血液検査を行いましたが異常はなく当初痛み止め等の治療を行っていました。
しかし、病状は徐々に進行し動くたびに激しい痛みに襲われ、後ろ足のふらつきがみられるようになりました。原因は腫瘍による脊髄圧迫が強く疑われました。そこで脊髄造影を行いました。
全身麻酔化で脊髄造影は第5-6腰椎間から針を刺し造影剤を注入します。背骨に白いラインがみえますがそれが造影剤です。
腰椎・胸椎の後半は異常ありませんでした。
第3胸椎―第4胸椎間で造影剤が切れているところがあり第3胸椎棘突起の骨が薄くなっていました。
その部位に腫瘍がある事が疑われたので第3胸椎棘突起・椎弓切除を行いました。手術目的は完治を目指すのではなく激しい痛みを起こしている脊髄圧迫部位を取り除くことにより少しでも痛みを和らげてあげる事です。
予想通り病変部には腫瘍細胞が増殖しており第3胸椎棘突起の骨は溶けていました。
下のレントゲンは切除後のレントゲンです。
第3胸椎棘突起が無くなっている事がお分かりになると思います。
術後2日間は手術の影響から元気食欲が低下しましたが3日目からは元気食欲も回復してきました。
手術前の激しい痛みも和らぎました。
病気は完治したわけではありませんが「もみじ」が少しでも楽に長生きできる様にしてあげたいと思います。
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